海のクローバー

読書感想文や、咲-Saki-を中心に「ものを読んで思うこと」少しずつ綴りたいと思います。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10.5巻感想

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』 
今一度原作をきちんと読み直そう企画。

今回は10.5巻を改めて読んだ感想を。

発売直後に買ってはいたものの、仕事が忙しくなかなか読み込めなかった。
そんなうちにアニメ2期ももう3話ほど進んでますね。

さてさて、今巻もすばらな内容ばかりなので、
個人的に気になる「10のキーフレーズ」でまとめていきます。

整数でないので一応本筋ではないのかもしれませんが、
またアニメもOVA扱いとかになるでしょうか??


<以下、ネタバレです>













◆概要◆

とある冬の日。特に何があるでもない奉仕部の日常のお話。

前半は、材木座がラノベ作家じゃなくて編集者になりたいと相談に。
奉仕部3人+何故か居座っている一色とともに就職相談(?)。

その後「参考にしたいから」と一色にデート(?)に連れ出される八幡。
色々とダメ出しをされながらも、それなりにいい感じのデートになったり。

そして今回奉仕部に持ち込まれた依頼は、一色から。
「生徒会予算の使いきりのためにフリーペーパーを作りたい」。

限られた予算と迫りくる締め切りの中で、悪戦苦闘する八幡たち。
みんなで協力し、なんとか完成させるのであった…。



◆雑感◆

特に大きな出来事もなく、ほんわかした日常のお話でした。
まるで嵐の前の静けさかな、と思うほどのほのぼの感。

今回はアニメ化直前ということもあり、主役は「一色いろは」。
いろはす全面押しで、なかなか良かったと思います。

前半の材木座の相談は、まぁ材木座だし…みたいな感じで。

一色と八幡のデートイベントは、あざとかわいい一色の良さが
たっぷり詰め込まれていたような。

一色が葉山ではなく八幡に気があるようなそぶりも見せつつ、
奉仕部3人の関係を思っているような感もあり
一色について色々考えたくなるお話だったと思います。

9巻を経て、いい協力関係のある奉仕部になっているので
結構安心して読めたかなぁと思います。


さてさて、この10.5巻を「キーフレーズ」で振り返り。



【1】「どうかしら。以前はそう思っていたけれど。・・・今はわからないわ」/雪ノ下雪乃

材木座のお仕事相談から、将来どうなりたいかという話に。
雪ノ下は寿退社などせずバリバリ働きそう、と言われた雪ノ下の返し。

まだ高校2年生だし、確かにそこまで考えるものでもないかな、と。
雪ノ下のバリバリ働くイメージはなんか想像できそう。

将来どうなりたいかという話を雪ノ下とほとんどしてなかった
というのは10巻でも思っていたことでしたね。

八幡が抱いた違和感は何だったのかな?

結婚なんて全然考えもしなかった雪ノ下が、その可能性も否定はできない
と思うようになったのは、心情の変化でしょうね。

違和感は、そのあたりなのかな。


【2】「一回遊びに行ったくらいでもう彼氏面とか図々しいにもほどがあるのでもう何回か重ねてからにしてもらっていいですかごめんなさい」/一色いろは

一色とのデートイベント中、生徒会の副会長くんと書記ちゃんを見かけた2人。
2人で遊びに行ったというだけで付き合っていると思のは早計という一色の言葉の続き。

2人でオサレなカフェから出てきたら、確かに勘ぐりたくはなるよなぁ…。

セリフは前半もう少しあり、句読点なし。一気にまくしたてる一色らしい口調。
というか、あと何回か行けばOKなのかと突っ込みたくなるセリフ。


【3】「今度はもうちょっと知り合いが少ないところにしましょうね」/一色いろは

カフェに入って、先ほどの話の続き。
生徒会でこのカフェについては話題に上っていたのだとか。

まぁ確かにこーゆー遭遇はあまりしたくないもの。

今度は直截に次があることをにおわす一色。
次とはまたこの2人のことなのか、別の誰と誰なのか…。



【4】「・・・先輩もちゃんと参考にしてくださいね」/一色いろは

今日のデートを振り返り採点する一色。
帰り際、それでも楽しかったと礼を言いつつ残した一言。

個人的にはこの10.5巻の中でベストなセリフその1だと思っています。

一色は葉山とのデートの参考にと言いつつ、
誰かとデートするなんて考えられない八幡のためにデート体験をさせていたような。

②・③のセリフも同様に、「次」「今度」の機会は一色と八幡のデートではなく、
いつかしかるべき時に来る八幡が誘うデートを指しているように思えてなりません。

確かに一色は八幡に感化され、意識してなくない様子もありますが、
ちょっとだけそんな気持ちもあるけれど、八幡が雪ノ下なのか由比ヶ浜なのかと
そんな一歩を踏み出すことをけなげに応援している…のかなぁって。

由比ヶ浜とデートの約束があることは一色も知らない話だとは思いますが、
八幡もこの件については今回も、これまでもいつかは実行せねばと思っていますし。


【5】「で、先輩。ご相談なんですけどー…」/一色いろは

数日後、奉仕部にフリーペーパーを作りたいと依頼を持ち込む一色。
デートの際の領収書を見せられて「もう関与しているんだから」と無言の圧力。

一色らしさが垣間見れますね。いろはすあざとい。
弱みでもない弱みを突かれる八幡ですが、基本的に一色に甘いですよね。

結局一色の脅しに屈した八幡は奉仕部として子の依頼を受けることに。
まぁ依頼あっての奉仕部ですしね。

カフェで取ったケーキとかの写真みながらきゃっきゃしてる中、
2人で撮った写真見られちゃうのもわざとなんだろうな…。


【6】「・・・まぁ、ご期待に沿えるよう頑張るよ」/葉山隼人

フリーペーパーの部活動紹介として葉山のインタビューをすることになった一色と八幡。
八幡に皮肉っぽく「よろしく」と言われた葉山の返し。

前の10.5巻でフォーカスされた「期待に応えるしかできない葉山」を皮肉った様子。
インタビューではやはりみんなの期待する葉山をしっかり見せてくれたようです。

とりあえずまぁ絵にはなるんだろうし、
当初から目標の一つであった「生徒会長の権限を駆使して葉山にアピール」はできた様子。


【7】「・・・次こういうのあったら、ちゃんとするね」/由比ヶ浜結衣

もともと無理のあった締め切りに苦戦する八幡。
投げ出しても構わないと、優しさをみせる由比ヶ浜との一幕より。

何でも自分一人で背負い込む八幡をよく思わないどころか、
そうさせてしまっている自分を責めている由比ヶ浜

今回はそんな大ごとではないけれど、これまでを振り返り、
次に八幡が苦しくなったら、力になると。

締め切り直前、軟禁状態で仕事にかかる八幡には個別イベントが続きますね。
このやり取り、なんかいいね。


【8】「結局、私が一番何もできていないのよね」/雪ノ下雪乃

今度は雪ノ下との個別イベント。
同じく締め切りに苦闘する八幡に雪ノ下が優しさを投げかける一幕より。

締め切りに無理があるのは承知していたとはいえ、
それぞれの仕事の進捗の読みが甘かったことを反省する雪ノ下。

「読み違えたこと」と「理解」の話を重ねているようですが、
そういったことを積み重ねて理解していくのでしょう。

できてない、なんて言ってる雪ノ下ですが、
校正後のスケジュールを調整する保険も用意しているあたり、ぬかりない。

あと、ハンカチに包んで保温したMAXコーヒーを差し出すゆきのんがかわいい。


【9】「なので、まずは奉仕部の皆さんでどうぞ」/一色いろは

フリーペーパー作業がひと段落し、
部活動紹介で撮らなかった奉仕部の写真を撮ろう!と提案する由比ヶ浜
やってきた一色も合わせてみんなでという提案を固辞した一色のセリフ。

個人的にはこの10.5巻の中でベストなセリフその2だと思っています。

奉仕部3人のこの関係を大事に思っている様子がすごく伝わってきます。
デートイベントしかり、一色は八幡や奉仕部を思って行動しているんだなぁと。

遊園地でとった3人の写真もありましたが、
この写真もいつか絵として見たいな・・・。あと、遊園地の2人の写真も。

そして八幡も納得しているように、この写真には今の「奉仕部」を
言葉で表すよりも端的に、ありありと説明できる何かがあるようです。
八幡の成長を感じる場面でもあったと思います。

ただ、一回崩壊するフラグに思えてならないなぁ…。
最終的にはハッピーエンドに期待しますが。


【10】「高校で待ってるからな」/比企谷八幡

しばらくぶりに小町と夜のコンビニにお散歩に出た八幡。
受験を目前に控え不安が募るかわいい妹への、夜空を見上げて一言。

総武高校合格はちょっと頑張らないといけない小町。
受験を目前にすれ不安はどうしてもつきまといますよね。

やっぱり小町との会話は見ていて落ち着くし、
もうシスコンとかそーゆーのじゃなしに、妹想いな一面が随所に出てますね。

最後の数行で、季節が変われば色んなものが変わる、みたいなモノローグ。
次の11巻では小町の受験に合格し奉仕部に入る…なんて流れも見えるのか…も。



本編ではないという位置づけの10.5巻ですが、
心温まるような、ほのぼのするような優しいお話、すばらでした。

アニメ2期も始まり、俺ガイル熱が高まっている人が多いように感じます。
もちろん私もその一人。

次の11巻はもう少し先になりそうですが、
この10.5巻が前みたいに番外編的に映像化されるのを期待しちゃいます。



【気になったことメモメモ】

★パソコン見る時のメガネゆきのん

★雪ノ下が由比ヶ浜だけでなく一色にも甘くなったような

★デートの相手が葉山でない時点で減点される

★意識高くなると、玉縄くん語になっちゃう

★ラーメンに牛乳を入れると、えせとんこつ風になる(私は食べたくない)