咲-Saki‐阿知賀編 実写映画・ドラマ 感想
咲-Saki‐阿知賀編の実写映画を観てきました!
ドラマも含めて、なかなかのなかなかどころか、ちょーすばらでした♪
公開初日に観てきたんですが、なかなか記事を書く時間がなくて…。でも観ると感想を書きたくなってしまうものですね。遅まきながら、思うことを徒然なるままに書いてみます。監督はじめ演者さんたちが原作へのリスペクトや愛を持っているなぁというのを感じると、いちファンとして勝手に嬉しくなってしまいます。
多少の修正はありますが、ストーリーは概ね原作通りなので、ネタバレもなにもないので、特に心にとまった10のポイントで書いてみます。あまり深い考察はできないかもですが、私自身色んな方の感想を読みたいので自分も書きます。
去年はこんな感想記事も監督が読んでTwitterで紹介&一言いただけてとても光栄でした。おかげで「まとめアンテナ」にリンクしていただけていない本ブログでも、そのおかげで多くの方に読んでいただけて、咲ファンの広がりとつながりを感じました。
あ、それより、筆者は北海道・札幌住まいなのですが、映画公開までにドラマ放送が2話までって…そこはなんとかしてよと思います。ネットがなければ公開まで間に合わないってどんなでだけ田舎なんだ、200万人都市(汗。札幌の公開初日はぼちぼち人入ってました。前作より女性客が少なかったかなとは思います。
1.時間的な設定変更とカットもろもろ
映画と30分×5回のドラマではだいぶカットしないと成り立ちませんね。原作6巻のうちドラマでは1巻も終わりきらなかったのは、正直ちょっと驚きでしたが、オリジナルの加筆も含め、全体の流れとしてがきれいにまとまったなと思います。もちろん、そこ削っちゃうかーって思うところもないことはないですが、1つの作品として素敵な仕上がりでした。
色んな方の感想を見ても同じ意見ですね。亦野先輩の見せ場がなかったのはちょっとかわいそうな。せめて釣り竿くらい持たせてあげて…。個人的には哩の強者っぷりがあんまり出なかったのとは残念だったかもなぁ。欲張りさんだな。
2.「麻雀をしていればいつかまたきっと巡り合える」と「赤土晴絵の再生」をテーマに
原作から1番変えた点は、このテーマを強調というか、フォーカスした点だと思っています。尺という制約がある中で、あえてオリジナル要素を加え、原作の中でもテーマになっていることをしっかり絞って再構成した点は非常によかったと思います。前作に引き続き、この点が多くの原作ファンを納得させる内容だったことが、このドラマ・映画を良作と思えた理由だと思います。
以前、アニメ版の小野監督が「阿知賀編は群像劇」と表現していたのを覚えています。個人的には咲全体がそう思いますが、阿知賀編はその色が強いと思う。特に赤土先生の再生が穏たちやすこやんを通して表現される、まさに赤土晴絵の物語。挫折の中で初めて麻雀教室の教え子が成長して戻ってくる…それは赤土先生自身も、そして穏乃たちも麻雀を続けてきたからこそまた巡り合えた。エンドロール後の、穏と憧の自己紹介はそのテーマをしっかり示してくれたと強く感じました。
アニメ版のような「もはや主人公は怜」状態にならず、しっかりと阿知賀のメンバーを立たせてくれたのもよかったです(アニメはあれで大正解です、否定しません)。
3.こん積み重ねが、こん映画の中にあっとよ
前作もそうでしたが、各校のフラッシュバックがあってどーんと学校名が出てくるあのオープニング好きです♪ 映画観終わってから1作目の映画のあの部分だけ20回くらリピートしました(笑)。
前作、そして今回のドラマ、その積み重ねがこの映画につながっているんだなって素直に思えました。萌え系漫画原作の映画続編がどれだけ異常なことかと監督もおっしゃってましたが(萌え系なのか?は悩むが)、前作の評価された部分をしっかり生かしたことが今回につながったのではないでしょうか。監督・スタッフ・演者の原作へのリスペクト、原作ファンを納得させる改変や+α。原作に無理に寄せてコスプレに走らず現実的な世界観。これは正解という配役。
前作での安心感があったから、我々ファンも監督を信頼して劇場に足を運べました。この監督とファンの信頼感の積み上げ、まさにここだと思います。
4.各キャラクターの細かいところへのこだわり
キャスティングが原作のイメージ通り・通りじゃないの点は別として、キャストのみなさんが牌の持ち方・捨て方にも気を付けてくれた(これは監督や演出の方の功績)ことをはじめ、原作を意識した細かい動きが、原作ファンにはうれしいことです。前作と全く同じこと思います。剣谷や越谷などモブまで、普通の作品ではあそこまでしないでしょ。容姿が似てる云々おりも内面まで寄せに行ってくれる配慮に脱帽です。
ちょっと頭悪そうに子供っぽそうにする淡の仕草、記者会見の時の怪訝なの菫、撮影期間中にみんなの輪に入りすぎないようにした灼などなど。
5.原作の補完をしてくれたシーン&GOOD改変
尺の都合もあっての改変以上に、原作には描かれなかった追加シーンが結構あったと思います。どれもそのキャラなら言いそうとか、そーゆー意味だったのかーとか思わされましたね。
【補完】
①晩成ではなく阿知賀を選んだことへの、憧の心の葛藤
原作では悩みはあまり見せなかったけど、ここは掘ってくれてよかった
②灼の「全国で和と対戦するの私でいいの?」
あえて言わずにいたことを言ってくれた。憧の反応もよかった
③白糸台のチーム編成の理由に言及した菫
ドラマ版で一番原作ファンが沸いた点では?阿知賀連載編当時は明かされていなかった、原作の最近判明した内容を組み込んでくるとは!
④赤土先生が挫折した理由。「自分(のスタイル)を貫けなかったから」
原作ではすこやんとの対戦で大量失点したせいで負けたこと、以上に明かされてはいない(シノハユだととうぶん待つぞ)、彼女が麻雀から離れた理由。その分析力があれば研究してリベンジだってあったはずなのに、それだけ絶望的な敗北ということで落ち着いてたが、考え直すきっかけをくれたと思う。
【改変】
⑤和の転校時期
赤土先生の引き抜き、憧の阿太峯中への進学、和の転校をほぼ同じ時期の扱いにして「別れ」が強く演出された。
⑥初瀬のレギュラー昇格
①を補完。さらに憧や自分を認めることができたので初瀬、あの笑顔よかった。
⑦小走先輩の名言追加。「晩成が負けることは未来永劫ありえんのだよ」
感想みると賛否あるみたいですね個人的にはニヤリってかんじでした。小走先輩なら言ってもおかしくなさそう。「お見せしよう、王者の打ち筋を!」のように原作にないのに定着したのもあるし。それをあえてやってくる監督・脚本家は挑戦的ですね、好きです。
⑧ビビクンしない姫子のリザベーション
最近原作はR指定の際を歩いている気がするが、縛るのもビビクンもスクリーンではどうするか心配してましたが、痣というのはナイスでしたね。
⑨「深山幽谷の化身」のセリフは淡が思い付く単語か?
これはちょっと違和感として。子どもっぽい(バカっぽい)淡が、衣発信のセリフを言わされるのはちょっとな。淡セリフでしたよね?船Qでよかったんじゃない?
6.好感度の持てる配役
キャスティングで勝利です。すばらです。ドラマ1話目は少し違和感感じましたがすんなり受け入れられました。見れば見るほど「アリですね」でした。個人的に特にいいなと思ったのは…
私的1位:江口セーラ (水春さん)
私的2位:新子憧 (伊藤萌々香さん)
私的3位:花田煌の声 (矢野優花さん)
7.原作知らない人にはきつそうな部分も…
時間的な制約から、麻雀シーンがだいぶカット。それは仕方ないにしても、展開上ふれてほしかった局や、和了までの道筋とかがもう少しあってほしかったなというのが正直な感想です。
大将戦のリザベーション発動局とかも、「淡の支配VS鶴姫の絆」な感じが強くはなく、あっさり和了って少し寂しい。竜華の怜ちゃんパワーの件も、せめて道が見えるとか怜の未来視のような感じの演出があれば。セーラや哩の強者っぷりがもう少し欲しかった。リザベーションの7は…。
8.主な落選組
このセリフ・くだり、入らないかぁー。入れてほしかったなぁー
①セーラ:制服への不満・お着換えの件
→すーすーするくらいは言ってたかな、確か
②すこやん:20年前のじゃなくて10年前だから!
→気だるい強者イメージで行くことになったので仕方ないけど、ふくそこ感は阿知賀の魅力だったから…
③菫VS泉:ロン(物理)などフルボッコ
→直撃されてはいましたけどね
④船Q:灼にみる「準決勝にかける想い~10年越しのリベンジ」のセリフ
→控室での赤土先生や灼の言葉によって阿知賀女子内での想いの描かれ方が軸だから仕方ないけど、対戦相手側からのセリフは挟む余地なかったか…
⑤怜・穏・淡:100の件(次は100巡先まで見えるかも・100速まで仕上がった・実力は高校100年生・次は100回倒す)
→個人的にこの重ね好きなんだけどなぁ
⑥こーこちゃん:今日はジャージを着てないぞ!
→一貫して制服でしたね。憧がセーター渡す件はとても自然でした
9.エンドロールのオフショット
今回も楽しみにしてたこのオフショット。やってくれてよかった。みんな楽しそうでなによりって感じです。キャストのみなさんが咲-Saki‐を楽しんでくれてるのが伝わって、いちファンとしてすごく嬉しかったですね。りっつもにっこりでしたようですし。
10.最後に
今回も前作に引き続き、咲ファンを本当に楽しませてくれる作品だったと思います。実写化には当然賛否は付き物ですが、キャスティングや監督・演者さんたちの細かなこだわりをはじめ、咲-Saki‐愛あふれる取り組みのおかげで、すばらな仕上がりでしたし、先にも書いたように、ファンと監督との間に信頼感というか安心感があったためか、否定的な意見はほとんど目にしなかったように思います。
照のコークスクリュー自摸をはじめとした圧倒的な強者感、玄の涙のドラ切り、1回戦での穏がオーラスで見せた自模り三暗刻からの七対子など見所をしっかり押さえて重点的に見せてくれましたし、穏・憧の山歩きなどオリジナル要素も納得の追加で、原作という幹に枝葉をたくさんつけるという意味で大きな功績だと思います。他にも、白糸台のチームづくり、煌が姫子を下の名前で呼ぶなど原作の最近のシーンが入ったり、阿知賀の部員勧誘リストに「吉川さん」など咲日和の小ネタが入ったりといちいちファンを喜ばせてくれちゃったり…もう最高です!
今回も演者さんたちがいろんなところで頑張って発信してくれたこと、咲-Saki‐を好きになって取り組んでくれたことが、ただのいちファンですが喜ばしく、また一段と自分も咲-Saki‐を好きになれた気がします。「咲-Saki‐を好きでいれば、いつかきっとまた巡り合える」…だから前作から今作に巡り合えたのでしょうか。そしてまた次作があることを期待しています(原作の進行上、来年はムリですよね)。
素敵な作品をありがとうございました。